イラスト制作では、ラフを最初に確認して頂くことが一般的ですが、発注者さんにはこんな不安はないでしょうか。
- ラフを見たことがないのでどんなものが来るのかわからない
- ラフで何を確認すればいいかわからない
イラストの発注をしたことがない、または慣れていない人にとってはイメージが難しいかもしれません。
そこで今回は、私が過去に制作したイラストで実際に提出したラフと完成物を例に、どんな点を確認してもらうのかを解説したいと思います。
ラフとは設計図
ラフとは例えていうならイラストの設計図のようなものです。
どんな構図で、どんなアイテムを入れて、どんな表情にしてなどの骨組みを決めていく過程。
なので、ラフの確認とは、イラストの骨組みを確認する作業です。
ラフを確認してもらう理由
イラストレーターがラフの確認をお願いするのは、清書作業が開始した後に追加作業が発生しないようにするためです。
なぜ追加作業が発生しないようにするのか、その理由は
- 清書作業が開始した後に追加が出てしまうと、追加料金が発生してしまう場合がある
- 清書に入った後だと、修正が大変になってしまい追加料金の対象となる
からです。
そのため、ラフ段階でイラストに含める要素を過不足ない状態にしておきたいのです。
特に構図やアイテムの数など、清書作業が開始した後に修正が入ってしまうと、大幅に変更しなければならなくなり、追加料金の対象となってしまいます。
構図を変えずに表情だけを変えるなどは、大幅な変更は必要ないですが、下記のような場合はラフの段階で修正を出しておく必要があります。
- キャラのポーズを変える
- 構図を変える
- 髪形を変える
- 服のデザインを大幅に変える
- キャラを増やす(※見積り確定後にキャラを増やすと、追加料金の対象です)
- 持っているアイテムを変える
- 持っていなかったアイテムを持たせる
- 背景を変える
最初に「ラフは設計図」と言いました。
上記のような点が骨組みにあたる部分です。
逆に、清書後でも直しやすいのは
- ポーズは変えずに表情だけ変える
- 髪の毛や、服、アイテム、背景の色を変える
辺りです。
具体的な確認箇所の例
では、実際に例を挙げて解説します。
下の画像は以下の依頼内容で提出したラフです。
・軍服の女性
・強い目力
・パキっとはっきりした線で、白黒を基調に
このラフで確認する場合、下記辺りが確認ポイントだと思います。
- 構図
- 指定した軍服がイメージ通りか
- 表情
この案件では「パキッとしたはっきりした線で」というご希望があったので、念のため、ペン入れをした時点でも一度提出して確認して頂きました。それが下記の画像です。
こちらで、イメージの線になっているかをご確認頂いています。
通常はラフ⇒確認⇒清書⇒確認⇒納品ですが、この案件のように、場合によっては2段階でラフをご確認頂く場合もあります。
これも、清書後にイメージが大きくズレないようにするためです。
最後に、納品物は下記の画像です。
ペン入れの状態でもOKが出たので、清書をして提出しました。
参考になれば幸いです。
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